事業実績報告書の書き方はどうしたらいいの?

事業実績報告書の書き方はどうしたらいいの?

事業実績報告書とは?

運送会社を運営するとき、1年に1回、「事業実績報告書」というものを運輸支局に提出する必要があります。

 

それでは、この「事業実績報告書」とはどのようなものなのでしょうか?

 

はじめて提出しなければいけない事業者はどうすればいいのかわからないと思いますので、今回、まとめています。


1.事業実績報告書は本社営業所が提出する書類

いままで紹介してきた書類は、各営業所で保管したりしなければいけませんでしたが、この「事業実績報告書」の届出義務があるのは、”本社営業所のみ”になります。

 

なので、本社以外の営業所は届出の義務はありません。

 

おそらく、巡回指導の通知にも、事前に準備する書類の一覧に「事業実績報告書」がありますが、(本社のみ)と記載されているはずです。

 

※ただし、本社営業所が一般貨物運送事業を取得しておらず、B営業所が所持している場合は、B営業所に届出義務が発生します。

2.事業実績報告書のイメージをつかむ!

それでは、「事業実績報告書」とはどのような書類のなのでしょうか?

 

 

↑の様式を使って報告するのですが、簡単に言ってしまえば、「事業実績報告書」という名前どおり、【(あなたの)事業の(輸送)実績を報告してください】という内容になります。

 

ちなみに、報告しなければいけない期間は、前年4 月1 日から3 月31 日までの1 年間。
必要事項を書いて所轄地方運輸局長に届出すれば、それで終了です。

 

しかも、多くの県では、郵送で送付OKなので、時間がなくても届出できます。

 

このように聞くと「自分でもできるかもしれない…。」と感じたのではないでしょうか?
じっさいに自分で作成してみると、意外とできてしまいます。

3.作成のために必要なもの

それでは、事業実績報告書を作成するうえで、必要な書類は何でしょうか?

 

それは…
”運転日報”になります。

 

運転日報さえあれば、事業実績報告書はできてしまいます。

 

行政書士に依頼することもできますが、時間があれば事業実績報告書は、自社でも作成できるので、チャレンジしてみてもいいかもしれませんね。

4.事業実績報告書の書き方

 

それでは、記入例を見ながら各項目について説明していきます。

 

(A)区分

区分には、「一般・特積・利用・霊柩・特定」がありますので、該当しているもの”すべて”に〇で囲みましょう。
(B)事業者の情報を記載
事業者の「住所・事業者名・代表者名・電話番号」を書いてください。横判でも問題ありません。
(C)年
提出する「年」を記載しましょう。
(D)事業用自動車の車両数
3月31日現在で、運輸支局に届出している緑ナンバーのトラックの車両数を書くことになります。そのため、社用車など白ナンバーの車両は除く必要があります。
(E)(F)従業員数・運転者数
3月31日現在の従業員数・運転者数を書くことになります。
なお、従業員の数は役員を含めずに記載してください。
(G)事業内容
事業内容の欄から、該当する事業に〇を囲んでください。選択肢の中に該当する事業がなければ、その他に「食料品の集配」「機械部品の貸切輸送」等のように、自社が輸送している輸送品目、輸送形態を詳細に書くことになります。
(H)延実在車両数
事業用自動車が前年4月1日から当年3月31日までの1年間において在籍した日数の年間累計を書くことになります。

 

計算方法としては、車両数×365日(うるう年の場合、×366日で計算)することになるのですが、仮に、年途中で車両に増減があった場合は、在籍した日数を記載することになります。

例)5両365日在籍、2両途中減車により100日在籍
5両×365 + 2両×100 =述実在車両数

( I )延実働車両数
事業用自動車(各車両)が実際に稼働した日数の年間累計を書くことになります。ちなみに、事業用自動車がかどうしたかどうかの判断については、1日単位で判断して、1日のうち短時間のみ稼働し、その後は稼働しなかったとしても、1日車と算定することになります。
(J)走行キロ
運転日報などから集計した全車両の総走行キロ数を書くことになります。
(K)実車キロ
総走行キロのうち、貨物を積載して走行した年間の走行距離を書くことになります。
輸送トン数
(L)実運送…自社の車両での輸送トン数(霊柩事業者は体数(〇〇体)で作成)を記載
(M)利用運送…庸車による輸送トン数(霊柩事業者は体数(〇〇体)で作成)を記載
(N)営業収入
年間の実運送と利用運送の合算による売り上げ高の実績値を書きます。
(O)事故件数
交通事故件数…事業用自動車が関係した「警察による事故検分」が行われた交通事故
重大事故件数…運輸支局への報告義務がある事故件数
死者数…事業用自動車が関係した交通事故の発生から24時間以内に死亡した人の数
負傷者数…事業用自動車が関係した交通事故によって負傷し、治療を要した人の数

まとめ

事業実績報告書は、前年4月1日の運転日報と今年3月31日の運転日報、決算書があれば作成できます。

 

初めて作成するとなると難しいように見えますが、1回作成してしまうとすぐに慣れるかと思います。

 

行政書士に依頼するのもいいのですが、あまり難しい内容ではないので、自社で作成してみましょう。