トラック運転手の事故歴の把握と取得方法

トラック運転手の事故歴の把握と取得方法

事故歴の把握

 

とある運送会社に転職したのですが、「運転記録証明書」を取得するよう言われました。運転記録証明書は個人情報に当たると思うのですが…。

 

これって違法ではないのですか?


トラック運送会社に就職したとき、会社から「運転記録証明書」の取得を求められませんでしたか?

 

運送会社は、新たに雇い入れた運転者について、自動車安全運転センターが交付する無事故・無違反証明書又は、運転記録証明書等によって、過去の事故歴を把握するよう法律で定められています。

 

なので、「運転記録証明書」を求められるのは、運送会社も法令遵守するために行っているので、個人情報保護法の違反には該当しないのですね。

 

では、どのように取得すればいいのでしょうか?
また、過去何年間の事故歴を把握しなければいけないのでしょうか?

1.過去の事故歴を把握する

運転記録証明書等を取得するとき、雇い入れる前の事故歴(少なくとも過去3年以上)を確認して、事故惹起運転者かどうか確認する必要があります。

 

誰しも違反歴や事故歴を見られたくありません。

 

ですが、事故惹起運転者が教育を受けずにそのまま運転を再開しては、また同じ過ちを犯してしまいます。

 

そのため、法律で、まず運転者の事故歴の把握をするよう求められているということなんですね。

 

ちなみに運転記録証明書は、郵送で取得することが多いです。

 

取得には時間がかかるので、申請を行った後であれば、トラックに乗務しても問題ないということになっています。

 

即働いて欲しい運送会社の中には、面接時に運転記録証明書を持参するよう求めてくるところもあります。

2.会社・個人どちらでも取得OK

運転記録証明書の申請については、会社・個人の取得、どちらでも問題ありません。

 

ただし、会社の場合、トラック協会の会員に所属すれば、全額補助になることが多いです。(詳しくは、所属する県ト協に確認してください。)

 

そのため、多くの事業所は、入社後、会社が運転記録証明書を取得することが多いですね。

 

事前に運転記録証明書の持参を求めてくる運送会社は、即戦力を求めている以外にも、過去の事故歴を見て採用の有無を判断しているみたいですが、運転記録証明書を材料に採用を決めてはいけないようです。(ハローワーク談)

3.申し込みの入手方法

取得の手続きですが、トラック協会に所属していれば、トラック協会が公開している専用の様式にて申し込むことができます。

 

ですが、個人で申請する場合は、最寄りの警察署及び、自動車安全運転センターで証明書申込用紙を取得することになります。

 

証明書申込用紙を手に入れたら、必要事項を記入した後、手数料を持って郵便局から申し込むか、自動車安全センター福岡県事務所の窓口へ直接申し込みましょう。

4.自家用自動車の事故も含まれる

運送会社が運転記録証明書で確認する事故は、事業用自動車に乗務したときに起こした事故だけではありません。

 

仕事以外の自家用自動車等の事故も含まれますので、注意が必要です。

5.事故惹起者が入社したときの対処方法

もし、入社してきた職員が事故惹起者だったら、どのような対応をすればいいのでしょうか?

 

まず、前職で適性診断(特定診断)を受診しているか確認しましょう。
もしも受診していれば問題ないのですが、受診していなければ、新たに雇い入れる運送会社で受診させる必要があります。

 

また、事故惹起者は特定診断を受診させるだけでなく、事故惹起者用の特別な指導も併せて行いましょう。

 

もしも、特別な指導も受けていないようであれば、特別な指導も行う必要があるので注意してください。

まとめ

新たに運転者を雇い入れたら、「運転記録証明書」は過去3年間の事故歴を把握することが必要です。

 

仮に、事故惹起者に該当していたら、過去に特定診断や特定運転者用の指導教育を実施しているか確認しましょう。